NIGHTMARE

夢を見た。
恐くて、嫌な夢。
9回目くらい。
抽象的で現実的。
元になる出来事がある。
記憶は曖昧で正確ではない。
後の話、状態からの想像に要らぬ尾鰭が付いてくる。
結果、それが悪夢に変わる。






たまに見るんです、指飛ばす夢。
実際には飛ばした瞬間なんて覚えてないんです。
あまりに一瞬であっけなく飛んだしね。
痛みもその瞬間じゃなくて、一拍おいてからだったし。
ただ、音だけは耳に残ってるけど。
それでも飛ばしたなんて気付かなくて、
先輩方が色々してくれてる時にね、やっと気付いた。
回転し続ける鋸の横に指があるって事に。
最初、痛み感じた瞬間に反対の手で押さえたんだけど、
転がってる指見て押さえなおした。
最初に押さえてたところに指は無かったんだよ。
手術から3日後くらいかな、実感し始めたのは。
使ってたのはどんな機械で、こんな鋸がこう回転して、この傷口だと…
って風に映像が浮かぶ様になった。


術後数日してからこのイメージ映像が夢に出てくる様になった。
何故か夢の中ではスーパースローなの。
回転する鋸の刃先がはっきり見えてて、それに対して指がゆっくり向って行く。
指の付け根から下と他の指は血で真っ赤なのに、
刃が当たってる部分だけは鮮明に見える。


実際には人差し指がブッ飛んでそのまま親指にまで刃が当たってるんだけど、
何故か夢では人差し指だけ。
しかもすぐには飛ばないでいつまでも切断中…
機械の作動音だけが延々と響いてるの。


で、指が飛ぶ瞬間に目が覚める。
同時に傷口が疼きだす。
この夢、いつまで見るのかな…